職務経歴書の書き方講座

そもそも職務経歴書は何のために必要なのか

職務経歴書はなんのためにあるか、という命題。
それは、ズバリ応募者のためです。応募者が簡潔に自己PRできる場です。
ましてや、読むのは百戦錬磨の人事のプロ、あるいは経営者です。
生半可な内容ではメッキがハゲるのは目に見えています。

ですから、名前の通り「過去の職務経歴」を書き連ねた職務経歴書はNGです。
では、どうするか。
職務経歴の中から、自分のスキル・強みを抽出し、アピールポイントを洗い出します。
手順はこの後詳しく説明します。
まずは、職務経歴書は自己アピールの最大の場であることを認識しましょう。

職務経歴書作成の前に知っておくべきこと

最初に行うべきことは2つあります。

  1. 職務経歴書のフォーマットを考えること。
  2. 職務経歴のピックアップ→スキルと強みの抽出→アピールポイントの列挙のプロセスを踏むこと

 

まず、一つ目のフォーマットです。

書式自由の場合は、読みにくさなどでマイナスにならないよう、フォント、行間などを工夫してください。あくまでも相手に読んでもらうために出すのだ、ということを肝に銘じてください。
続いて、記入項目の順序です。
悪い職務経歴書は
  1. 職務経歴(過去から現在)
  2. 資格など

と言った一般的な職務経歴書の書き方になっています。

これはNGです。

「自己PR 」が目的なのですが、全くアピールされていません。

読んでいる方は退屈です。

 

まず自己PRを最初に持って来るのが正解です。

  1. 自己PR
  2. 職務経歴(現在から過去)
  3. 資格など

という順番になります。

形を変えるだけでも、他の人より一歩抜きん出ることができます。

自己PRをどう書くか

ここで言う自己PRとは、曖昧なキャッチフレーズ的なものではありません。

これまでの業績に裏打ちされる「成果再現性」を読み手に確信させる強みのことです。

強みとは計量化できないソフトスキルのことを意味しています。

 

例えば

「コミュニケーションが得意」

という方がよくいらっしゃいますが、それはどう証明するのでしょうか?

曖昧なことを言っても人事は評価しません。

では、どうやって証明しましょうか?

 

次のような進め方で自己PRを整理します。

 

パソコンに向かう前に、過去3年間の業績を思い出して仮の自己PRを箇条書きにしてみましょう。
面接官に自信を持ってアピールできるポイントを3つ上げてください。
続いて、その成果再現性を検証します。
このように考えるとよいでしょう。
  1. 状況…組織や職務分担など、一般的な背景・課題は何だったか
  2. ミッション...その時任せられたタスクはなにか
  3. アクション...自らとった行動はどうか
  4. 結果...その結果どうなったか
例えば
  1. 私は法人向けの営業で担当地域が変わったが、売上が芳しくなく、顧客とも関係が思わしくなかった
  2. 私のミッションは、売上で前年比20%増を達成することだった
  3. 私は、まず顧客を知ることから始めた。そこで、顧客が私達の商品についての知識が圧倒的に足りないことに気づいた。それで、当社の商品の価値を説明し、顧客と当社の経営陣とのつながりを作る説明会を企画した。その後、丁寧に顧客を訪問し、感想を聞いて回った。
  4. その結果、売上が前年比25%増となった。

→すなわち、私の強みは

  1. 現状分析
  2. 行動志向
  3. 顧客優先の営業

です。ここまで言えて自己PRとなるのです。

もし書けなければ、別の経歴を洗い出すか、別のアピールポイントを考えることになります。

 

当所のレジュメサービスでは、自己PRの作りこみを徹底的に行います。

メールのやり取りで深堀りしていきます。

職務経歴の記入のコツ

まず、一番大切なのは、現在から過去に記入していくことです。

何度も申しますが、人事が知りたいのは、直近の業績と成果再現性です。

過去から現在の時系列で書くのは絶対にやめてください。

 

まずはご自身の役職名と期間を書き出します。
次に会社データを書き出します。会社名(略さず)、本社所在地、資本金、直近の売上、業務内容、上場の有無など。
そして、在籍中の業績を書きます。職務をつらつらと書かないこと。ポイントは「業績」を書くことです。ここは大切なので2度言います。ポイントは、いかに自分がこれまで実績を上げてきたかをアピールできるか、です。
特に直近の過去3年間が勝負です。金額など計測可能なものを意識して書きましょう。一つの部署に三年以上いる場合は一年単位で切ってプロジェクトベースで表現するのもよいかも知れません。
ただし、自分の経歴を不必要に修飾するのは無意味です。面接に進んでも落とされるのは目に見えています。正直に書くことがポイントです。
現職の期間が短い場合(1年未満)は、なぜ転職希望なのかを書い方がよいでしょう。というのは3カ月とか6カ月で退職している人は「この人は長続きしない」という印象を持たれがちです。この点を明確にしなければ次のステップにはおそらく進めません。
年齢の若い方(25歳未満)の場合も要注意です。転職希望理由を明確にしましょう。若年層の場合は、まだ即戦力としては考えにくいので、第二学卒として応募した方がよいかも知れません。
経験社数(3社以上)の多い場合はそれぞれの退職理由を書いた方がよいでしょう。特に一年未満の会社が多い場合は面接までこぎつけるのは大変なことです。正直に正当な理由を記入してください。
マネジメント経験のある人は部署の規模、部下の数、育成の実績を書いてアピールしましょう。

カバーレターで差をつける

「カバーレターは必要ですか?」という質問を受けることがあありますが、必須です。

人事は応募者から送られてきた資料を全部コピーして、関係者に配布します。

 

ここでのポイントは「個別化」です。

  • 貴社のファンであることをアピール
  • 貴社の最近の動向を理解していることをアピール
  • 自分が貴社の課題解決に貢献できることをアピール

です。

 

まずはホームページを見てください。

上場企業であれば、IR・投資情報から有価証券報告書を確認します。

あるいは中期経営計画が出ています。そこからキーワードを拾ってきます。

このご時世ですと、

  • グローバル化
  • 業務効率化・利益率の向上
  • 新規ビジネスモデルの立ち上げ

などが一般的なキーワードです。

 

自分で拾ったキーワードに、自らの成果再現性をどれだけアピールできるかがポイントです。

ぜひ、シミュレーションしてみてください。

完成したら

ひとりよがりな文書になっていないか、客観的な目で見てもらうことをおすすめします。


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みなさまの成功を心よりお祈りしています。